グランレーヴ本郷台 ブログ

心温まる

2020年05月06日

  • お知らせ

 

皆様こんにちは!

 

新型コロナウイルス感染症、もうこの文字を見たくないくらいどこにいってもコロナの話ばかりですね。

すでにたくさんのご入居者様、ご家族様からいつ面会制限の解除されるのかと不安の声をいただいております。

現状はより厳しさを増す一方で、当施設と致しましても明確な面会制限の解除の見通しは立っていません。
今自分たちができる最大限の感染を広めない、持ち込ませない努力をを行い、1日でも早い平穏な日常が戻ってくることを願っています。
そのためにも皆様のご理解、ご協力をよろしくお願い致します。

 

 

 

本日はその面会制限の中での出来事を紹介させていただきます。

 

ご入居中のA様には、ご主人と2人のお子様がいらっしゃいます。
そのA様の元に会わせてほしいと3名で当施設に来られました。
A様には進行性の疾患があり、子どもたちが会う機会はそう多くは残されていない、「この面会制限の事もわかっている上でお願いにきました」との事でした。

 

お気持ちは十二分に分かっていても、どうぞ、上がってください、とは言えませんでした。

ご本人と他入居者様の健康を守る観点からはコロナからも守らなければなりません。

ご本人にご主人とお子様が来設されていることを報告しに行きました。

 

A様「今日は私も調子が悪いの。世間でこんな騒ぎになっているのに来るなんて信じられない。帰ってもらっていいです。」

調子も悪かったと思いますし、なにより子どもたちにそんな姿を見せたくなかった思いもあるのでしょう。

直接会うことができないならせめて窓越しで、ということも考えましたが、起き上がることも辛いご様子だったためスマートフォンを使ったビデオ通話を促してみました。

 

「いいわよいいわよー!」と抵抗されていたA様でしたが、スマホ画面にお子さまが写った瞬間のことです。

 

「これだけ騒がれているのに何で来たの?
〇〇は仕事もちゃんとやってるみたいだけど家の中がゴミ屋敷じゃしょうがないのよ。
少しずつでいいからちゃんとやりなさい。
それからお母さんが真面目な話をしている時はヘラヘラしないの。
貴方は優しい半面、そういうところはこれから苦労するんだからもっとしっかりしなさい!」

 

先程まで倦怠感でいっぱいだったA様は終始、母親として子どもたちにお話しされていました。
10分程度の会話でしたが自分の痛い、辛いことは一切語らずに。

母親としての力がこの瞬間病気にも勝っていました。

子どもたちが帰られた後もしばらく倦怠感は消失し、娘様から来たLINEをじっと眺めていました。

 

 

進行性の病気ほど本人が苦しむものはないかもしれません。

病状に対しての緩和ケアの一つに痛み止めや吐き気止めの薬でコントロールすることがあります。
これはとても大切なケアの一つです。

しかし、その人が今まで大切に培ってきたものが目の前に現れたとき、それは時として、どんな鎮痛剤よりも強い鎮痛効果を発揮するのだと思えた瞬間でした。

 

 

新型コロナウイルス感染症が終息し、ご家族とのふれあいがまた再び持てるよう、これからも、ご入居者様の体調管理と笑顔を守れるよう日々努めて参ります。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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