師走の一日
2020年12月26日
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12月26日(土)
今日は、今年一年、そして今日一日を帰宅後、いつも以上に振返った日。
ご家族の思い、そしてかけがえのない存在であることを感じた一日でした。
毎日、何気ない日常の出来事があります。
しかし、
入居者様にとって毎日が大切な一日。大切な時間。
日常の大切さ、そして小さな出来事でも、幸せを感じる。
心から感じることができた日となりました。
◎早朝、普段とは違うお洋服でお出かけされたY様。
毎日、ウオーキングに行かれるはずが、今日は違ったんです。
数分後、娘様が迎えに来られました。
出がけに玄関に設置してある消毒液を
お二人ともしっかりと手に擦り込んで下さる光景に頭が下がる思いでした。
そして、ご帰宅。
「今日はお墓参りしてきました」と。
今日は、Y様と娘様にとって大切な日だったんです。
にこやかなお顔でお戻りになれたことが印象的でした。
大切な方と大切な日を共にすることの大切さを改めて気づかせて
頂いたことに感謝申し上げます。
◎朝、M様より事務室へ内線を頂きました。
「母が今、息を引き取りました」と。
M様は、ご夫婦でご入居され、先月、お母様もご入居。
ご夫婦でお元気なうちに、入居を決心され、アンリ南福岡に。
お母様は、100歳。長崎県大村市から、
職員が同行し施設の車で、アンリ南福岡へ来られました。
遠方であった事、そして、会うこともコロナウイルス感染予防のためできずにおり、
お母様も大村のホームから、アンリ南福岡にご入居されることに。
ご入居後、お母様は、お食事もあまり摂れず、点滴もされながらのご生活となりました。
私たちは、「よかったのだろうか。負担をかけてしまったかも。M様ご夫婦のお気持ちは大丈夫だろうか。」と悩みました。
しかし、今日、息子様より、
「本当にありがとうございました。母と直前まで一緒にいることができ・・・。
良くしていただきました。本当に」と。
涙されながらもにこやかであったM様ご夫婦。
そして、お母様の穏やかなお顔に会わせて頂き・・・。
よかった・・・とじわっと涙が出てきました。
この大切な時間を一緒に過ごさせて頂いたことに感謝申し上げます。
◎午後、外出から戻られたM様。
「友達から、貰ったあの電子置時計が壊れた。動かない」と。
私は、「修理に出すと逆に修理代が高くなると思います」と答えてしまいました。
しかし、M様のお顔は、何だか寂し気。
居室へ伺うことにしました。
置時計を拝見すると、もしかすると「壊れていない?」
説明書は、捨ててしまったと。
ネットで品番を検索し。説明書がヒット。
そして、設定し直したら、直ったんです!
「まあーうれしいー。本当にありがとう。この時計を頂いてから、
前からあった掛け時計ではなく、この置時計をみてしまう。
ないと何だか変でね。友達からもらったし、なんだか気持ちが入っているのよね」と。
ひとつひとつの品物には、その時の大切な思い出がある。
物を大事にする意味を久し振りに感じられたことに感謝申し上げます。
◎夕方、フロントに来られたE様。
「動画を家族に送ってあげたい」とLINEの使い方が分からないと。
時折、iPad の使い方を尋ねて来られます。
居室に伺うと
長崎の妹さまから届いた、綺麗な音楽とイルミネーションの動画。
「お正月は、(コロナ)で会えないから。大阪だし息子たちは・・・」と。
E様ご家族の7名とのグループLINEへ転送。
早速、ご家族から既読1、既読2 と・・・
ありがとう💗 綺麗~と返信も。
E様が「よかった。一緒にこの綺麗なイルミネーションをみて欲しかったの」と
満面の笑顔で。
私にとっては、何気ないLINEの転送。
しかし、E様にとっては、大事なLINEの転送。
大切な人と同じ気持ちになりたい。それは、誰もが思うこと。
小さな出来事でも、その方にとっては大事なこと。
その事を振り返る機会を頂いたことに感謝申し上げます。
◎夕食前、久しぶりに来られたY様の娘さま。
「この世の中になり、母に会いたいけど、会ってよいのか。
何かあっては・・・とも思い。」と仰いました。
「でも、毎日気になるんです。」と。
ほぼ毎日来てくださっていた娘様。
自分の体調も気にしながらと。久しぶりに来られました。
「ちょっとでも母の顔をみれて。声を聴けてと安心しました」と。
「アンリもいろいろ気を遣って大変でしょう。ありがとうございます。
ここまで、何事もなく過ごさせて頂いて感謝しております。」と。
笑顔でお帰りになりました。
確かに「コロナウイルスが、もしここで発症してしまったら?」と
私たちは、日々怖さもあります。
しかし、いつまで続くか分からないこの状況。
増え続けるウイルス...
ご面会は、本日現在、「5分程度で。」とお願いしております。
どのご家族もしっかりと検温して下さり、消毒、そしてマスク
、面会簿の記入、数分での面会を徹底して下さっております。
玄関先で数分、お会いされたり・・・。
電話でやり取りされたあと、会わないとできないことのみをされたり・・・。
距離をとり、会話をして下さっていたり・・・。
時計をきにしながら、「時間だね」と確認しあって下さったり・・・。
週1回や月に数回と回数を減らして下さったり・・・と。
それぞれのご家族が工夫してご協力を頂き、アンリ南福岡は乗り越えております。
面会を謝絶にすることは簡単。
しかし、情勢によっては、生命を守るため、謝絶とさせて頂くこともございます。
「どうこれからもウイルスと共存していくか?」
もしも・・・も考え、防護具などの用品も多く備蓄しました。
そして迅速に・・・最悪の事態にならぬように・・・。
皆様のご自宅であるアンリ南福岡は、これからも模索して参ります。
当社の理念である「生命と健康を守る施設」の意味を考え、
生きるとは?そして、心も含めた健康とは?と常に考え進んでいきます。
今日は、家族の大切さ。そして、私たちがどんなに頑張っても
ご家族には代わることのできない。
と感じた一日でした。
しかし、このような世の中になり、入居者さまは、ご家族と会う機会は減っております。
ご家族とお会いできない分、51名の職員が、126名の皆様の声に耳を傾け、お気持ちを汲み取れるよう進んで参ります。