入居して使う
介護サービス
介護が必要な高齢者の方が施設に入居し、24時間体制で日常生活の支援や介護を受けられるサービスです。食事・入浴・排せつといった身体介助のほか、健康管理や機能訓練、レクリエーション活動なども行い、安心・安全な暮らしをサポートします。専門のスタッフが常駐し、入居者一人ひとりの状態やご希望に応じた個別ケアを提供します。

介護付有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームとは、24時間介護スタッフが常駐し、掃除や洗濯など身の回りの世話や、食事、入浴、排せつなどの介助サービスが受けられる介護施設です。主に民間企業が運営しており、一定の設備、人員、運営基準のもと都道府県の指定(認可)を受けている施設を指します。高級な施設もあれば低価格が特徴の施設もあり、入居費用の設定はさまざまです。入居要件も施設により異なり、介護度が軽い方から重い方、寝たきりの方、認知症の症状がある方など幅広く受け入れています。また看取りまで対応しているところが多く、終のすみかの選択として探しておられる方が多いのが特徴ともいえます。
入居費用には、契約時に払う入居一時金(初期費用)と月額費用があります。金額の大きさは、土地・建物等の不動産的要素や人員体制(人件費)でホームによって異なります。月額費用には介護サービス費が含まれていますが、介護付き有料老人ホームの場合はこの部分が介護度別の定額になっています。定額のため、介護度が重くなっても月額の支払いの見通しが立てやすいメリットがあります。現在は入居一時金がかからないホームや、複数の料金プランを設定していいるところが多く、入居金0円プランを用意しているホームもあります。

住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームとは自立状態の方から要支援・要介護の方まで、様々な状態の高齢者を、幅広く受け入れている施設です。介護が必要な場合は、訪問介護や訪問看護などの外部サービスを利用しながら生活できます。
住宅型有料老人ホームと介護付き有料老人ホームは、ともに「有料老人ホーム」である点は共通しています。有料老人ホームとは「老人福祉法29条」で定義される「常に1人以上の高齢者の入居のある、都道府県等へ届け出た施設」を指します。しかし、住宅型有料老人ホームは「介護サービスを必要に応じて外部から提供してもらう」のに対して、介護付き有料老人ホームは「特定施設入居者生活介護と呼ばれる介護保険サービスが、事業者から提供される」施設です。これにより、介護付き有料老人ホームは、「3:1(要介護者3人に対して介護スタッフ1人)」の人員基準が設定されています。
住宅型有料老人ホームは、入居者が必要に応じて外部から介護サービスを提供してもらうため、基本的に、介護スタッフは常駐していません。ただし実際には、施設内に介護事業所が併設されているケースが多く、サービス提供体制はほとんど介護付き有料老人ホームと差がないと言えます。

サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅とは、自宅同様の自由度の高い暮らしを送りながらスタッフによる安否確認や生活相談サービスなどを受けられる賃貸住宅です。高齢者が必要な支援を受けながら、ご本人らしい暮らしを実現できる「住まい」とされており、「サ高住」「サ付き」の略称で呼ばれることもあります。
自立した生活はできるけれど一人暮らしが心配な方が主な入居対象です。外出の付き添いや食事の提供などのオプションもあり、介護が必要な際は外部の事業者と別途契約してサービスを受けます。

グループホーム
グループホームは、認知症の進行を抑えることと、機能維持を目的とした小規模の介護施設です。”ユニット”と呼ばれるグループに分かれ、家事などを役割分担しながら共同生活を行い、1ユニットの定員は最大9名です。
認知症高齢者は環境変化にうまく適応できない場合もあり、家庭的な馴染みのメンバーで生活できるユニット型の生活環境は、認知症ケアに適しています。
グループホームの入居条件は、・65歳以上の高齢者で、「要支援2~要介護5」の認定を受けている方、・65歳未満の若年性認知症、初老期認知症と診断された、「要支援2~要介護5」の認定を受けている方、・医師により認知症の診断を受けた方、・施設と同じ市区町村に住民票がある方、・その他、集団生活に支障のない方(感染症にかかっていない、共同生活に適応できるなど、)です。
グループホームに入居するには認知症の診断があり要支援2以上の認定を受けていることが大前提となり、「地域密着型サービス」というものに該当するため、施設と同じ市区町村に住民票があることが入居条件となります。

ショートステイ(短期入所生活介護)
ショートステイとは、短期的に施設に入居し介護・支援を受けられるサービスです。在宅で介護を続けていると、冠婚葬祭などで自宅を空けなければならない、介護者が体調を崩したなど、一時的に在宅介護が難しくなる場合があります。そんな時に強い味方になってくれるのがショートステイです。
ショートステイとよく混同されるサービスにデイサービスがあります。主な違いは利用期間です。デイサービスは日帰りのみのなのに対し、ショートステイは連続して1~30日間まで宿泊が可能です。サービスの内容は双方とも、食事、入浴、レクリエーションなどです。日々在宅で介護をするなかで、どうしても家を空けなければならないという場面において、サービスを利用します。また、介護者のレスパイト(休息、息抜き)の目的で活用されることもあります。
ご自宅で利用する
介護サービス
ご自宅で利用する介護サービスは、住み慣れた環境の中で安心して生活を続けられるよう支援するものです。訪問介護や訪問看護、訪問入浴など、多様なサービスがあり、ご利用者様の心身の状態やご家族の状況に応じて、必要な支援を柔軟に提供します。在宅での暮らしを大切にしながら、専門職によるサポートで安心と自立を支えます。

訪問介護
訪問介護は、介護の専門資格を持つホームヘルパーが要介護者の自宅を訪問し、日常生活を支える介護保険サービスです。このサービスの目的は、要介護者が自宅で自立した生活を送れるようサポートすることにあります。利用者の自立を促すため、できることは利用者自身で行い必要な部分だけサポートするのが基本姿勢です。
主な訪問介護のサービスには、身体介護、生活援助、通院乗降介助の3種類があります。
身体介護は、利用者の身体に直接触れてサポートを行う介護サービスで、食事の介助/入浴の補助/排泄の支援/着替えの介助/体位変換/移乗介助等、利用者の体調や状況に応じて、食事や入浴、など多様な支援を提供します。
生活援助とは、利用者が日常生活を送る上で必要な家事をサポートするサービスで、掃除/洗濯/調理/買い物代行等、単なる家事代行ではなく、利用者の自立を促すためのサービスです。そのため、利用者が自分でできることは自分で行い必要な部分だけサポートする形が基本とされています。さらに、生活援助を通じてヘルパーは利用者の心身の状態を見守ることができるため、生活の変化や健康状態の変動に早く気づくことができます。
通院乗降介助は、介護職員が運転する車両への乗車や降車をサポートします。特に車椅子や歩行器を使用する利用者にとって、乗降の際の安全確保が大切です。通院等乗降介助では、病院や金融機関などの目的地への移動時に車への乗降や病院入口までの移動を手助けします。

訪問看護
訪問看護とは病気や障害を持った方が住み慣れた地域やご家庭で、その人らしい療養生活が送れるように支援するサービスです。地域の病院等の医療機関や訪問看護ステーションから、主治医の指示により看護師や理学療法士・作業療法士等がその方が生活する場所へ訪問し、医療的ケアを提供します。
訪問看護では、・身体の清拭、洗髪、入浴介助、食事や排泄などの介助・指導、・病気や障害の状態、血圧・体温・脈拍などのチェック、・医師の指示による医療処置、・医療機器の管理、・がん末期や終末期など自宅で過ごせるターミナルケア、・床ずれ防止の工夫や指導と床ずれの手当て、・拘縮予防や機能の回復、・認知症介護の相談・工夫をアドバイス、・ご家族等への介護指導や相談、・低栄養や運動機能低下など介護予防のアドバイス等のサービスを受けられます。
訪問看護で訪問にくるのは、病院、訪問看護ステーションから派遣される看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの医療従事者です。医療的ケアが必要な場合は看護師が、リハビリテーションが必要な場合は、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といった具合に、看護内容によって訪問にくる人が異なります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、訪問介護員または訪問看護師が要介護者の自宅を定期訪問し、介護・看護を提供する24時間対応の介護サービスです。地域密着型サービスに分類され、事業所と同じ地域に住民票があり、要介護認定1~5の要介護高齢者を対象としています。一日に複数回訪問し、一回の訪問は10~20分程度。短時間の身体介護(食事介助、清拭介助、排せつ介助など)を中心に行います。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、・訪問介護を利用する頻度が多く、介護保険の支給限度額を超えてしまう場合、・一人暮らしの認知症高齢者で一日数回の服薬管理やインスリン注射が必要な場合、・寝たきり状態の方で、寝返りの介助など一日に何度も介助が必要な場合、・水分補給に声掛けなどの支援が必要な場合、・一人で食事することが難しく介助を必要とする場合等の理由で利用する方が多いようです。他にも、「退院後の自宅見守りを手厚くしたい」「心疾患があり急変時の早期発見のため」といった理由で利用する方もいます。また家族の介護負担の軽減を図るために利用する場合もあります。

訪問入浴
訪問入浴介護とは、看護職員1名以上を含めた3名以上のスタッフが自宅に訪問し、専用の簡易浴槽を使って入浴をサポートしてくれる介護サービスです。要介護者本人が自力での入浴が困難であり、かつ家族だけでは入浴が難しい場合などに利用します。訪問入浴介護を受けることで、本人の清潔が保たれて、家族の負担も軽減することができます。
訪問入浴介護では、入浴介助はもちろんのこと看護職員による入浴前後の健康チェックも行われるため、・自力での入浴が困難な方、・浴室の環境が悪く家族や訪問介護のサポートがあっても入浴が困難な方、・デイサービスなど通いサービスの利用が難しい方・体調管理が必要で看護職員のサポートが欲しい方におすすめのサービスです。
入浴は健康な人であっても自分が感じている以上に、体力を消耗します。入浴介助に慣れていない家族がケアを提供することで、浴室での転倒など思わぬ事故の原因に繋がることもあります。日々の生活を少しでも負担なく穏やかな気持ちで過ごせるよう、訪問入浴介護サービスがあります。

居宅介護支援
居宅介護支援は、要介護者が自宅で適切な介護サービスが受けられるよう支援するサービスです。ケアマネ-ジャーは、要介護者の身体や精神の状態、住環境、本人や家族の希望を考慮し、最適な居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、このプランに基づき、サービス提供事業者との連絡や調整を行い、適切なサービス提供を確保、必要に応じて介護保険施設への入居をサポートします。このように、居宅介護支援は直接的な介護サービスではなく、ケアマネ―ジャーが提供する一連の支援活動を意味していて、介護を必要とする方々の生活を支える重要な役割を果たしています。
ご自宅から通って受ける介護サービス
ご自宅から通って受ける介護サービスは、日帰りで施設に通いながら、必要な介護やリハビリ、食事・入浴などの支援を受けられるサービスです。一般的には「デイサービス」や「デイケア」と呼ばれ、心身の機能維持やご家族の介護負担軽減にもつながります。専門スタッフによるケアと、楽しいレクリエーションや交流を通じて、安心で充実した時間をお過ごしいただけます。

デイサービス(通所介護)
デイサービス(通所介護)とは、通いで介護サービスを提供する施設のことです。要介護状態になっても自宅でできるだけ自立した生活を送れるよう、身体機能の維持や向上を目的とした機能訓練や、食事や入浴など日常の世話をします。また、ご本人にとっては社会的孤立感の解消、家族にとっては介護による身体的・精神的負担の軽減にもつながります。デイサービスの対象となるのは、要支援1〜2、要介護1〜5に認定されている人です。
デイサービスの提供サービスとしては、・入浴(寝たきりの状態でも入れる機械浴があるところもあります)、・食事(飲み込む機能が低下している方でも、飲み込みやすい食事の形態で対応してくれます)、・排せつ介助、・機能訓練、・趣味(生け花、囲碁など)、・レクリエーション、・外出レクリエーション(公園などに外出)、・看護師による健康チェックとなります。
デイサービスでは、このようなサービスを通して、他の利用者やスタッフとのコミュニケーションが図れるので、孤独感も解消されやすく、通うことで、心身の健康の維持や向上が期待できます。